INABA TAKUYA BLOG
稲葉琢也ブログ
赤字でも借入ができ、資金繰りが改善する元銀行支店長の秘訣を授けるビズサポートの稲葉琢也
2015/11/06
自社の実態を理解してますか?
おはようございます。
お困りの経営者様のお悩み解決を
キャッチフレーズに日々、
頭転がしているビズサポート稲葉です。
経営の立て直しについて、
日々直面する事例を説明します。
今日は、決算書についての説明です。
資金繰りが苦しくなって
相談に来られた 企業の決算書で、
非常に多く発見される
困った事例を紹介します。
先ず損益計算書PLで、
儲かっているのか見ると前のブログで説明しましたね(^-^)
赤字は人間で言えば
どこか出血している状況です。
止血の為に出血個所を調べるように、
事業も出血個所を、
分解して調べると説明しましたね。
店舗別、商品別、取引先別などです。
一方で、傷の深さを
正しく把握することも必要です。
この場合は貸借対照表
(財産の状態を表しています)
を見ましょう
1.在庫金額の過大な計上
売れ残り古くなってしまったが、
仕入れた価格のままで
在庫として計上されている⇨
滞留在庫が有るケース
更には、在庫は無いが、
過去に決算利益を
上げる為に期末在庫を
水増しして計上した⇨
架空在庫が積み上がっているケースはな
何れにしてもBS(貸借対照表)の
資産(左側)が過大となっているケース
実地棚卸し金額との差額が、
純資産のマイナス要因となる。
従って資産超過だと思っていた決算書が、
債務超過(欠損の金額が資本金を上回り、
実質マイナスとなった状態)
となっていることもあります。
以下、各勘定科目で有った事例
2.売掛金
在庫と同じような理由で
長期に亘り回収出来ていない
滞留売掛金や、架空の売掛金が
計上されている。
3.受取手形
既に倒産した取引先の手形が
計上されたままのケース等
貸倒損失で処理すると
利益が減り赤字決算になる為に、
意図的に受取手形に計上している。
4.仮払い金
本来経過勘定であるが、
税理士の指導で役員報酬で取らず、
毎月仮払い金で現金を貰っていたもの。
あるいは社長が事業目的でなく
自分自身の個人的支出で
浪費したもの
更には、仮払い清算プランという、
保険を活用した商品で
仮払金を保険積立金に
振替ている(あながちダメではない
が個人借りいれも考慮が必要)
5.土地(事業用ではないもの)
過去に購入するも、土地価格が下落し、
売却すると損失がでるもの
6.減価償却資産の償却不足
利益を計上する為に、減価償却を
実施せず、償却不足が
溜まってしまったもの等
7.有価証券
バブル期に高値で取得して、
その後大きく下落して
時価が簿価と大きく乖離している。
8.繰延資産
ソフトウェアの開発費を
開発費に計上してい
ソフトウェアが価値が無くなった。
その他にも、
いろいろなケースがありますが、
再生に向けて、最初に財務の
デューデェリゼンス(DD)を行い、
実態のバランスシートBS
実質の純資産額(債務超過額)
傷の深さを把握します。
経営者の皆様もこの様な貸借対照表では、
自社の実態がわからなくなりますね。
先ずは傷の深さを正しく把握しましょう。
小難しい話なので今日はここまで、
あっ、つい最近有った事例をもう1つ
退職金共済(全額損金算入できます。)
を長年誤って、損金処理せずに、
掛金残高を退職金積立金として
資産計上してしまったケースも
ありましたよ。
税金は損した上に、共済は機構から、
本人に直接支払われる為、退職積立金は
そのままになっていました。ビックリ
又
さその後の経過をお知らせします。
ご不明な点はビズサポートにお尋ね下さい。
では又